人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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東海道を歩いてみた(20) 薩た峠

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2011/05/30 11:20

由比宿を出ると、いよいよ薩た峠にかかる。この付近は海岸線まで山塊がせり出し、海沿いを歩くことはできない。そこで由比からは急な坂道となって興津宿に向かう。東海道では箱根に次ぐ難所といわれていた。



薩た峠の沿岸部分



急な登り坂


薩た峠の頂上からの風景は、歌川広重の「東海道五十三次」の浮世絵でもおなじみ。今回は同じ場所から写真を撮ろうと思っていたのだが、この日は激しく霞んでおり、残念ながら広重と同じ光景を見ることはできなかった。



薩た峠頂上


薩た峠の頂上は整備されており、多くのハイカーで賑わっていた。無料の杖の貸出もあるらしく、反対側(興津側)から登ってきた人は皆同じ杖を持っている。

道はここから、上道・中道・下道の三本にわかれている。東海道のガイドブック類をみてもルートはまちまちで、どれがメインなのかよくわからない。とりあえず、東海道線の北側をゆっくりと下るルートで興津宿を目指した。

下りの途中で野生のフジをみつけた。フジは本来野山に自生する植物で、木に巻きついて繁殖する。西日本に多いことから、名字でも「藤〜」という名字は圧倒的に西日本に多い。



野生のフジ


下りきって、興津川を渡ると興津宿。今の地名でいうと、静岡市清水区興津である。興津川は河口のすぐそばだが、都市近くを流れる川の河口とは思えないほど綺麗な川だった。
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