人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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武田鉄矢さんのルーツ

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2011/05/16 10:03

先週、テレビの収録が立て続けに2本あった。

1本目はCS朝日ニュースターの「武田鉄矢の週刊鉄学」。最初話が来た時は「鉄道番組?」と思ったが、そうではなく、武田鉄矢さんが様々なゲストを迎えて、いろいろなことを学ぼう、という主旨の番組。「鉄学」の「鉄」は武田鉄矢さんの「鉄」なのだ。

出演は武田鉄矢さんのほか、アシスタントの伊藤聡子さん、松原隆一郎東大教授の3人。台本もなく、CSならではのゆるい番組である。

武田鉄矢さんの名字は、全国ランキングで78位というメジャーな名字。地名由来のためルーツは何か所かあるのだが、多くは甲斐武田氏の末裔と伝えている。武田鉄矢さんも、こどものころから「ウチは甲斐武田氏の子孫だ」と言われていたとか。

この甲斐武田氏について多くの人が誤解していることがある。それは、甲斐武田氏のルーツとなった「武田」という地名は、山梨県ではなく茨城県にあるのだ。

平安時代、清和源氏の源義清が、ひたちなか市武田に住んで武田を名乗ったのが祖。のち罪を得て甲斐に流され、許されたのちも甲斐に住み続けたことから子孫は甲斐武田氏となった。

 現在、ひたちなか市のルーツの地には武田神社が建てられている。
放送は22日から1週間の予定。

さて、2本目はBSフジの「We Can ☆47」という子ども番組。

こちらは自宅でのインタビューだったが、小学生が進行する番組ということで、子どもに語りかけるように、といわれて戸惑った。そもそも、名字の話は、ある程度の歴史の知識がないと理解することができない。「佐藤は藤原氏の一族です」といったところで、藤原氏を知らないと、どうにもならないのだ。

ディレクターにスタジオや画面スーパーでのフォローを依頼して撮影終了。

こちらは6月の放送予定とのこと。
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