人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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リビアという国名

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2011/02/28 09:54

カダフィ大佐の独裁が続いていたリビアで混乱が拡大している。すでに反政府勢力が東部などを制圧して暫定政府を樹立した、という報道がある一方、政権側は外国からの傭兵も使って徹底抗戦を宣言するなど、混迷を深めている。

ところで、外務省のサイトでリビアのページ(http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/libya/index.html)を見ると、見慣れない国名に驚いた。日本での公式なリビアの国名は「大リビア・アラブ社会主義人民ジャマーヒリーヤ国」(英語表記:The Great Socialist People’s Libyan Arab Jamahiriya)だそうである。

一般的に知られている国名と、正式な国名が違うという国は多いが、正直この国名は初めてみた。

この表記になったのは2004年頃らしく、それ以前は社会主義人民リビア・アラブ国で、さらに前の、私が世界の国名を覚えた頃はリビア・アラブ共和国であった。

ちなみに、一般に使われる「リビア」とは、ギリシャ神話に出てくる、エパポスとメンピスの娘で、ポセイドンの愛人リビュエのこと。古代ギリシャでは地中海の対岸の北アフリカ一帯を「リビア」といい、20世紀になってイタリアがこの地域を植民地とした際に採用したものだ。

今回の混乱がどのような収まるかははっきりしないが、近いうちに再び「リビア」の正式国名が変更される可能性が高そうだ。
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