人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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円覚寺のカワセミ

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2010/12/20 09:41

11月に続いて、また鎌倉に行ってきた。

今回は北鎌倉がメイン。北鎌倉には円覚寺、建長寺、明月院など著名な寺院が多いが、今回は駅前から山頂に向かって広がる円覚寺を訪れた。



円覚寺


円覚寺は鎌倉五山第二位の寺で、鎌倉幕府第八代執権の北条時宗が、二度にわたる元寇で死んだ敵味方の兵士を弔うために建立したもの。開山は時宗の相談役でもあった、中国出身の無学祖元である。

駅前の総門から山門を抜けて、一番奥の黄梅院まで続く境内はかなり広い。というのも、鎌倉公方や徳川幕府の保護を受けて、その寺域が守られてきたからだ。実際、JRの駅前でこれだけ広大な境内を持つ寺は珍しいだろう。

中でも驚いたのが、方丈の奥にある無窓疎石の作と伝える妙香池。ここはむき出しになった地層の重なりが虎の縞模様になっていることから「虎頭岩」と言われる岩がある。

しかし、驚いたのはその岩でも、夢窓疎石の遺構だからでもない。岩に止まって様子をみながら、時々水面に急降下して餌をとっているカワセミがいたことだ。



餌をとるカワセミ


カワセミは本来は渓流などにいる鳥。近年は公園などにも姿を見せるらしいが、電車の音も聞こえてくるような小さな池にいるとは思わなかった。駅前にありながらも、ここは俗世間とは離れた別天地、ということをカワセミも知っているに違いない。
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