人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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チリ鉱山落盤事故からの救出をみて

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2010/10/18 10:27

日本時間の13日昼、チリ北部のサンホセ鉱山で8月5日の落盤事故以来69日間も地下700mの場所に閉じ込められていた鉱山作業員達の救出が始まった。同国のピニェラ大統領の見守る中、「フェニックス」と名付けられた救出用のカプセルが小さな穴から地下に下ろされ、一人ずつ地上に救出していった。

この様子はCNNが生中継し続けただけではなく、ustreamでも世界中に流された。救出開始の時間が日本ではちょうど日中だったこともあって、ustream中継で見守った人も多く、コメント欄には実に多くの日本語が流れていた。

さて、一人目の救出が成功すると、地元チリの人達は「ビバ・チレ (Viva Chile)!」」と快哉を叫んでいた。スペイン語で「チリ万歳」という意味なのだが、「チリ」ではなく、「チレ」という発音が新鮮だった。

日本語では「チリ」というが、スペイン語では「chile」と書いて「チレ」と発音する。しかし、独立前には「Chili」と書かれたこともあるようで、日本語の「チリ」はこの古い表記に由来しているのだろうか。あるいは、英語の発音も「チリ」なので、こちらからきたのかもしれない。

ちなみに首都も日本語では「サンチアゴ」「サンチャゴ」などといわれているが、正式にはサンティアゴ・デ・チレ(Santiago de Chile)。ドイツのフランクフルトが正式にはフランクフルト・アム・マイン(マイン川沿いのフランクフルト)であるように、日本では省略されている地名も多い。
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