人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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東海道を歩いてみた(8)

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2009/11/25 10:02

今回のスタート地点はJR二宮駅。東海道を進むに従って出発地が自宅から遠くなり、往復だけでかなりの時間を要するようになる。日が短くなったこととも相まって、実際に歩く時間はかなり限定される。おまけに、名所旧蹟に立ち寄るため、さらに前に進まない。

さて、今回の出発地である二宮は、全国に同じ地名がたくさんある。というのも、本来二宮とは一般名詞なのだ。旧国で一番格の高い神社を一宮といい、次いで二番目を二宮といった。従って、旧国名の数だけ一宮と二宮があるのだ。しかし、実際には時代によって一宮が変遷することもあり、一宮を名乗る神社が複数ある、という国もある。

相模国では、一宮が寒川町の寒川神社で、二宮町にある川匂神社が二宮にあたる。立ち寄ってみたかったのだが、川匂神社は東海道からは北に大きく外れた山の中腹にある。この日は箱根湯本まで行く予定で先を急ぐので、やむなく断念。



川匂神社入口にて



国府津より小田原を望む


さて、相模二宮のあるこの付近は二宮と呼ばれるようになった。そして、二宮に住んだ一族が名乗ったののが、二宮という名字である。従って、地名と同じく二宮さんのルーツも各地にあることになる。

ところで、相模二宮をルーツとする二宮一族からは有名人が出ている。それは、小学校の片隅で薪を背負って本を読む銅像が建っていた二宮尊徳である。かつては知らない人はいなと言ってもよかったが、近年では像も少なく、教科書にも登場しないことから、若い人では知らない人の方が多いかも知れない。
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