人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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鳩山家の由来

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2009/09/14 09:19

いよいよ16日の特別国会で鳩山由紀夫民主党代表が首班指名され、初の民主党内閣が誕生する。ここ数代の総理大臣が、いわゆる“2世”だったとのと同様、鳩山由紀夫も政治家一族の出である。

鳩山由紀夫・邦夫兄弟の父は、自民党の参院議員で外相をつとめた鳩山威一郎。その父が自民党初代総裁で、第52〜54代総理大臣の鳩山一郎である。一郎は自民党結成前に、当時の民主党総裁として首相に就任している。

また、邦夫の長男太郎もかつて東京都議をつとめており、鳩山一郎から太郎まで4代続く政治家一族であることから、外国のメディアでは“日本版ケネディ家”という表現も使われているようだ。

この一郎以降については、今や常識に近いが、実は鳩山一郎自身も2世であったことは意外と知られていない。一郎の父、鳩山和夫も明治時代に衆院議長をつとめた大物政治家であった。

和夫は美作勝山藩のお留守居役の家に生まれた。お留守居役は、各藩の江戸における外交官のような役職のため、代々江戸に住んでいることが多く、和夫も虎ノ門の生まれである。

さて、鳩山家の名字のルーツは地名だろう。関東には、埼玉と千葉に「鳩山」という地名がある。鳩山家の先祖は常陸の佐竹氏の家臣だったともいわれており、千葉県北部の香取市にある鳩山地名がルーツの可能性が高い。
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