人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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全英オープンとカーリング

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2009/07/21 10:28

今年も16日から4日間、ゴルフの全英オープンがあった。

弱冠17歳の石川遼選手は、タイガー・ウッズとリー・ウェストウッドという、欧米を代表するトッププロとスリーサムで予選をラウンド。高校生がこんなメンバーと回ったら、それだけでボロボロになってしまいそうなものだが、強気の攻めで初日はウッズにリードするあたり、やはり並みの選手とは何かが違う。2日目にドーナツバンカーに入れたあと崩れ、惜しくも予選落ちしたが、来年以降が楽しみだ。

さて、今年の全英オープンの開催地はスコットランドのターンベリ・ゴルフコース。いつものようにリンクスなのだが、ターンベリの9番はティーから海岸の崖越えのショットを打ち、10番はコース脇に灯台があるなど、本当に海岸線ギリギリにあるコースである。

このゴルフ場には、2つのコースがある。キンタイア(Kintyre)コースと、アイルサ(Ailsa)コースの2つで、今年の全英オープンで使用されているのはアイルサコース(エイルサとも)の方だ。このアイルサとは、1番ホールから見える、アイリッシュ海に浮かぶアイルサ・クレイグに由来している。

アイルサ・クレイグは、花崗岩できた周囲4キロほどの小さな島だ。日本ではまったく無名、というより通常の地図帳には掲載されていない、このお椀を伏せたような小さな島には有名な産物がある。実はカーリングの公式競技で使うストーンは、すべてこの島の花崗岩を材料にして造られているのだ。

この島は自然保護のために許可なしには上陸できず、花崗岩の砕石も20年に1度しかできない。最近では2002年に砕石されて地元の職人が手作業で研磨して仕上げているという。

ゴルフにしろ、カーリングにしろ、英国発祥のスポーツは伝統を大事にする。
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