人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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栗原市議選に「佐藤」さんが11人

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2009/04/20 10:46

13日、テレビ局2社から電話出演の依頼が立て続けにきた。

まず大阪の読売テレビ(日本テレビ系列)から、宮城県の栗原市議選で佐藤さんが11人も立候補している話題を取り上げるにあたって、急いでいるので電話で出演して欲しい、と。続いて、フジテレビから14日朝の番組で同じ話題を放送する予定があるとのことで、夜に電話出演で収録した(当日ニュースが入り放送されず)。

栗原市とは2005年に平成の大合併で、栗原郡の全10市町村が合併してできた市。前回の市議選でも佐藤さんは15人出ていたのだが、当時は市内を旧町村別に10地区にわけて選挙をしたため目立たなかったが、今回は全市1選挙区にしたため、1選挙区に佐藤さんが11人も並ぶことになったという。

「佐藤」さんは日本一多い名字だが、県単位でみると、秋田・山形・宮城の3県に集中している。このうち、宮城では県北部に多く、栗原郡あたりでは住民の6人〜7人に1人は佐藤さん。今回の市議選では立候補者数が43人なので、「佐藤」さん率は4人に1人。確かに高い比率だが、確率的にもこれぐらいなら今後もありそうだ。

実は、平成の大合併以前はもっとすごいところもあった。岐阜県にあった板取村では、人口の過半数が「長屋」さんで、かつて村議選では立候補した14人中、12人が「長屋」さんだった、ということもある。

ちなみに、現在の自治体の中で全国一「佐藤」さん率の高いは、東北ではなく山梨県の道志村である。
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