人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

●サイト(オフィス・モリオカ)
  → https://office-morioka.com/
●ツイッター
  → http://twitter.com/h_morioka
●facebookページ
  → https://www.facebook.com/officemorioka/
●Instagram
 → https://www.instagram.com/office_morioka/

 

甲子園と奈良が直結

このエントリーをはてなブックマークに追加

2009/03/31 09:06

今年も甲子園球場で選抜大会を観戦してきた。

甲子園球場は西宮にあり、交通機関は阪神電車。梅田から特急で行けばそれほど時間はかからないのだが、阪神しか交通手段がないため、他の観光などと組み合わせると時間のロスが多かった。

ところが、今年春からは、阪神の西大阪線が難波まで延伸されて阪神なんば線となり、近鉄線と直通されたことから、甲子園−難波−生駒−奈良が直結したのだ。基本的には尼崎乗り替えだが、それでも奈良まではすごく出やすくなった。観戦の帰りに難波に出たが、今までの梅田経由と比べると、時間的には大きく違うし、楽だ。

ところで、西大阪線の部分には変った名前の駅がある。その代表が福駅だろう。「福」というのはとても地名とは思えない。元は福村という村だったが、大正時代に大阪市に編入された際、「村」がとれて「福」だけになってしまったものだ。



福駅表示板


「福」は、かなり古くからある地名だが、由来はよくわからないようだ。悪い意味の土地に縁起のいい漢字をあてることを瑞祥地名といい、全国的によくある。ここは淀川と神崎川の河口に挟まれた場所で、低湿地を意味する「ふけ」に由来する地名ではないだろうか。

隣の「出来島」という駅もユニークだ。江戸時代に開発され際に、出来がよかったから「出来島」と名づけられたという。



出来島駅表示板
このエントリーをはてなブックマークに追加

ページのトップへ