人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

●サイト(オフィス・モリオカ)
  → https://office-morioka.com/
●ツイッター
  → http://twitter.com/h_morioka
●facebookページ
  → https://www.facebook.com/officemorioka/
●Instagram
 → https://www.instagram.com/office_morioka/

 

都内に新駅が開業

このエントリーをはてなブックマークに追加

2009/03/23 10:46

14日、JR南武線の分倍河原−谷保間に新しい駅が開業した。

旧国鉄は駅間距離が長かったことから、地方のローカル線では民営化後乗客増加のために新駅を開業することも多かった。しかし、首都圏ではもともと駅間距離が短いうえ、用地の取得代などが高いこともあって、JRの新駅開業はめったにない。東京都内でのJR新駅は1997年に開業した横浜線の八王子みなみ野駅以来12年振りのことだ。

この日開業したのは、府中市本宿町の西府駅。実はこの駅は厳密には新駅ではなく復活である。戦前、南武線は南部鉄道という私鉄だった。私鉄は駅間距離が短く、分倍河原−谷保の間には本宿・西府という2つの駅があったのだ。しかし、戦時中に国策で国に買収されて国鉄となった際、本宿駅と西府駅は廃止されてしまった。



西府駅表示板


地元では、戦後早い時期から駅復活の請願を繰り返したが実らず、このたび実に65年振りに西府駅が復活することになったのだ。開業当日には記念式典が行われ、雨の中パレードも行われて、駅の復活を祝った。市では駅周辺を整備して、駅を中心とした街づくりを進めることにしている。



西府駅構内


なお、西府駅の所在地が本宿にもかかわらず、駅名が西府なのは、この付近が府中市に合併前は西府村だったことに由来し、近くには今でも西府という地名がある。また、「西府」という地名も「府中の西」ということに由来する、広域的な名称である。
このエントリーをはてなブックマークに追加

ページのトップへ