人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

●サイト(オフィス・モリオカ)
  → https://office-morioka.com/
●ツイッター
  → http://twitter.com/h_morioka
●facebookページ
  → https://www.facebook.com/officemorioka/
●Instagram
 → https://www.instagram.com/office_morioka/

 

記入見本は「麻生太郎」

このエントリーをはてなブックマークに追加

2008/09/08 09:39

福田首相の突然の辞任によって、自民党の総裁選びが始まっている。この時期に辞任するとは誰も予想していなかつただけに、いろいろなところに影響が生じているが、中には思わぬ余波も生じている。

すでに数人の立候補が取りざたされているが、その中で本命とされているのが麻生太郎党幹事長。これから、全国の自民党員を対象にした投票があるが、その前に急きょ書類の変更をした自治体がある。それが、川崎市の麻生区だ。

多くの自治体や銀行などでは、申請書類を書くための見本を用意している。それらの書類の「姓名」欄には、自治体名や企業名を名字にし、「太郎」という名前をつけて書くことが多い。

川崎市麻生区も「麻生」+「太郎」で「麻生太郎」という名前を見本にしていた。実は麻生区は「あそう」ではなく、「あさお」と読む。従って、記入見本も「あさおたろう」なのだが、漢字では麻生幹事長と同姓同名。このままだと、麻生区が麻生太郎幹事長の選挙を支援していると誤解されかねないため、急きょ見本を作りなおして窓口に備えたのだ。

麻生議員が総裁選に立候補するのは今回が初めてではないが、今までは見本の作りなおしはしてこなかった。今回は「本命」とされるだけに、あらぬ疑いを受けぬように早めに対応したものだろう。

ちなみに、新しい記入見本の氏名欄には「○○太郎」と書かれている。
このエントリーをはてなブックマークに追加

ページのトップへ