人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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オバマ氏を応援する小浜市

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2008/02/18 10:19

アメリカの大統領選挙は、民主・共和両党の予備選挙が大詰めを迎えてきた。

共和党はマケイン候補の指名が確実になっているが、民主党では、劣勢だったオバマ候補がスーパーチューズデー以降連勝してクリントン候補に追いつき、激戦が続いている。

ところで、このオバマ氏の活躍でにわかに注目を集めている自治体がある。それが福井県の小浜市だ。「Obama」という綴りが偶然一致していることから、いわば“勝手連”的に応援を始め、地元有志が必勝だるまも送ることにしているという。最近では、海外の大手メディアも注目しはじめ、AP通信やロイター通信をはじめ、米ABCテレビや、ニューヨークタイムズなどの取材チームも取材に訪れている。

今回立候補しているオバマ氏のフルネームは、“Barack Hussein Obama, Jr.”。現在、唯一のアフリカ系の上院議員で、父親はケニアの出身。従って、日本の小浜市とは何の関係もなく、綴りは偶然の一致にすぎない。

ちなみの日本のObama(小浜)さんは人口でいえば1万人強くらい、三重・鹿児島・沖縄などに多く、ルーツも三重や長崎、鹿児島など各地の地名がルーツである。

今回注目を集めている小浜市は、日本でもそれほど知名度は高くないだろう。ただ、歴史上ではそれなりに知られた地名でもある。古代では、ヤマト政権の日本海側の入り口であったとされ、戦国時代には武田信玄の同族の若狭武田氏が住んで京都から文化が入った。江戸時代には小浜藩10万3000石の城下町として栄え、梅田雲浜や杉田玄白といった学者を排出した。しかし、明治以降は、“福井県のはずれ”的なポジションとなり、現在では人口3万人強の一地方都市にすぎない。

市では外国のメディアには積極的に対応し、観光客の誘致ももくろんでいる。大統領選がもたらした予想外の経済効果に、小浜市は民主党の指名争いと、大統領選挙を厚く見守っている。
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