人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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北京五輪に出場するホケツさん

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2008/02/14 10:02

7日、日本馬術連盟は、法華津(ほけつ)寛選手が北京五輪の馬場馬術団体競技への出場が確実になったと発表した。

法華津選手は現在66歳で、夏の五輪出場時には67歳になる。これまでの日本人の五輪最高齢記録はソウル五輪の馬場馬術に出場した井上喜久子選手の63歳だったから、4歳更新する日本最高記録となる。馬術は年齢には関係ない競技とはいえ、67歳での五輪というはすごい記録だ。

さて、「法華津」という名字は珍しい。おそらく、全国でも数十世帯しかないはずだ。ルーツは伊予国宇和郡法華津(現在の愛媛県宇和島市)という地名。戦国時代にはこの地に水軍を率いた法華津一族がおり、南予の戦国大名西園寺氏に従っていた。その後、西園寺氏が滅ぼされると、新領主の戸田氏によって南予を追われ、豊後水道を渡って対岸の豊後国(大分県)に移ったとされており、現在では「法華津」という名字は愛媛県南部よりも、大分市を中心に九州の東海岸により多く分布している。

ところで法華津選手、今回の五輪出場は東京五輪(障害馬術)・ソウル五輪(馬場馬術)に続く3回目のオリンピック出場だが、実はその間のロス五輪では馬術競技の補欠選手だったことがある。

20年前の「ホケツの法華津選手」は、今回正選手として史上最高齢のメダルを目指している。
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