人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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蜂須賀家家臣データベース公開

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2008/02/04 18:17

昨年末に、徳島大学附属図書館で同館が所蔵する「蜂須賀家家臣成立書」のデータベース化が完了し、インターネットで一般公開を開始した。

この資料は、江戸時代末期から明治初期にかけて、藩士が藩に提出した文書集めたもの。藩士の数は1800家にも及び、系図や家紋、出身地の他、各家の成り立ちなども記されている。

江戸時代後期、幕府は各大名や旗本などに系譜の提出を命じている。これに校訂を加えて編纂したものが「寛政重修諸家譜」で、江戸時代の武士に関する基本的な資料の一つとなっている。この後、各大名家でも、藩士達に系譜を提出させてまとめたところが多い。しかし、こうした資料は図書館や博物館の貴重な資料として所蔵されているだけて、一般人の目には触れることはほとんどない。彦根藩や小田原藩の藩士の系譜集は、博物館などから系譜集と刊行されている他、仙台藩や長州藩、尾張藩などでは、地元で刊行された資料集の一部として収められている。

しかし、書籍として刊行さそれているとはいっても少部数で高額なもの。大きな図書館にでも行かないとなかなかみることができない。また、書籍として刊行されていない藩では、系譜をみることは難しい。

その点、インターネットで公開されていれば、誰でもどこからでも見ることができる。実際、徳島藩士の系譜を知りたい人は、なにも徳島県に住んでいるとは限らない。北海道には明治時代に徳島から移住した人が多いほか、今では全国各地に子孫が散らばっているはずだ。そうした人達が、先祖の系譜を家に居ながらにして見ることができるのは画期的なことだといえる。

実際にアクセスしてみたが、すべて画像の割には重くもなく快適に利用できる。また活字ではなく実際の資料をみると、江戸時代の武士とはいえ、全員が達筆だったわけではないこともわかったりもする。

他の県でもぜひ進めてほしい事業の一つだ。
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