人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

●サイト(オフィス・モリオカ)
  → https://office-morioka.com/
●ツイッター
  → http://twitter.com/h_morioka
●facebookページ
  → https://www.facebook.com/officemorioka/
●Instagram
 → https://www.instagram.com/office_morioka/

 

本の街「神保町」

このエントリーをはてなブックマークに追加

2005/10/30 13:14

 今日から、このサイトを借りてブログを書くことになった。なんだかすごいタイトルだが、要するに話題のことや人物にかこつけて、人名や地名についてのどうでもいいウンチク(トリビアともいう)を傾けよう、ということである(らしい)。

 さて、記念すべき第1回目は11月1日。ちょうど読書週間で、神田古本まつりの真っ最中。29日・30日の両日には神保町ブックフェスティバルも行われた。首都圏に住む本好きとしては行かなくてはならないイベントだが、物書きをやっていると知り合いに合うことも多い。各出版社はすずらん通りにワゴンを出してセールをやっているのだが、こちらの顔をみると、あわててワゴンの本を隠したりする。どうやら売れ残った私の本を、激安価格でたたき売りしていたらしい。

 ところで、本の町として世界的に有名な神保町。その由来をご存じだろうか。江戸時代から栄えていた神田にある地名としては意外と新しく、明治以降にできたもの。江戸時代、このあたりは小川町の範囲で武家町だった。ここには旗本神保長治の千坪近い屋敷があり、家の前の道は神保小路と呼ばれていたのだ。明治維新後、こうした武家屋敷は新政府によって没収され、あらたに町割りをして庶民に下げ渡された。その際につけられたのが、神保屋敷にちなむ神保町という町名だったのだ。
 では、この神保家のルーツはというと、群馬県の西部、吉井町にある神保という地名。神保家はここで生まれ、越中に移って戦国大名となり、さらに織田信長を経て徳川家康に仕え、旗本として江戸に来た。ブーメランのような軌跡である。

ちなみに、神保姓は今でも群馬県に多い。しかし、ルーツとなる吉井町の神保城は、関越自動車道の真下にあたり、今は残っていない。

このエントリーをはてなブックマークに追加

ページのトップへ