人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

尾瀬国立公園誕生

2007/09/04 10:26

8月30日、新しい国立公園が誕生した。
日光国立公園から分離した尾瀬国立公園で、1987年の釧路湿原国立公園以来20年振りのことだ。従来の日光国立公園は範囲が広く、文化財中心の日光地域と、湿原を中心とした尾瀬地域では、その性質が大きく違う。外国からも含めて積極的に広く観光客を受け入れる日光と、自然保護との両立を求められる尾瀬をひとくくりにして運営することには無理が多く、以前から分割の必要性が指摘されていた。

ところで、尾瀬という地名が初めて確認できるのは、初代会津藩主・保科正之が編纂した「会津風土記」で、これには「小瀬」と書かれている。一方、群馬県側の資料では「尾瀬」となっていることから、この付近一帯を昔から「おぜ」といい、福島県側の会津では「小瀬」、群馬県側では「尾瀬」と書いていたらしいことがわかる。

では、語源は何か、というと、いくつかの説があるようだ。代表的なのは「生瀬(おうせ)」が転じて「おぜ」になったという説。「瀬」とは浅い水辺で、「生」は植物が繁っていることだろう。つまり、植物の繁っている浅い沼の意味で、「湿原」ということになる。

この他にも、平家落人の尾瀬氏を由来とするものや、付近の部落を襲った悪い軍勢「悪勢(おぜ)」に由来する、という説などがある。中には、ヘブライ語に由来する、というものまであるようだ。

首都圏から比較的近い所にある湿原だけに、国立公園誕生で大観光客が押し寄せると、環境破壊につながりかねない。環境と保護の難しいバランスが求められる。