人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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全英オープンゴルフを見て

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2007/07/23 09:05

今年の第136回全英オープンは、スコットランドのカーヌスティゴルフリンクスで行われた。8年前、フランスのジャン・ヴァンデベルデが3打差をつけて迎えた最終ホールで、トリプルボギーをたたいて優勝を逃した、“カーヌスティの悲劇”のコースだ。

今年はスペインのガルシア選手が、3ストローク差で最終日を迎え、メジャー初制覇に大きく近づいていた。ガルシア選手が注目を集めたのが、1999年のマスターズ。当時はまだ19歳のアマチュア選手だったが、直後にプロに転向。夏の全米プロではタイガー・ウッズと1打差の2位に入って、“天才”“早熟”の名をほしいままにした。

その後も、多くの大会で活躍を続け、メジャーでも優勝争いには顔を出すものの、なぜか大会を制することはできなかった。

今年は、3番でバーディを奪って10アンダーとし、楽勝かと思いきや、ガルシアほどの選手でもプレッシャーから崩れていく。代わりにトップにたったアルゼンチンのロメロは、隣ホールを飛び越すOBで後退。続いてトップに立ったアイルランドのハーリントンも最終ホールでクリークに入れてダブルボギー。甲子園ではないが、このコースには魔物が住んでいるに違いない。結局、8年前と同じくプレーオフとなりハーリントンが優勝、ガルシアはまたメジャー優勝を逃してしまった。

さて、ガルシア選手のフルネームは、Sergio Garcia。スペイン語のため、これでセルヒオ・ガルシアと読む。

ガルシアというのはスペインでは一番多い名字だ。スペインだけで140万人ほどあり、人口の3.5%を占めている。日本の佐藤さん率が2%弱なので、かなり高い比率。ガルシアは、本国だけでなくスペイン語圏一帯に多く、中南米を含めると、ガルシア姓はかなりの数にのぼる。

ちなみに、スペインのベスト5は、ガルシア、フェルナンデス(Fernandez)、ゴンザレス(Gonzalez)、ロドリゲス(Rodriguez)、ロペス(Lopez)。いずれも、最近のプロ野球の助っ人選手としてお馴染みの名字ばかり。中南米から移民の増加で、最近では、これらの名字が米国の名字ランキングでも、上位にはいりつつある。
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