人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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嵯峨・嵐山を歩く

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2025/02/18 12:44

天龍寺の庭

京都2日目は、嵯峨・嵐山を訪れた。嵯峨へのアクセスは、JR嵯峨野線の嵯峨嵐山駅、京福(嵐電)嵐山本線の嵐山駅、阪急嵐山戦の嵐山駅と3通りある。今回は渡月橋を渡りたかったので、京都駅からだと遠回りになるが、あえて阪急の嵐山駅で行ってみた。

渡月橋

日中は大混雑する渡月橋も、朝早い時間だと人は少ない。しかし、渡月橋を渡りると突然人が増え、やはり日本人よりも外国人の方が多そうだ。店の看板にも英語が書かれているものが多い。

天龍寺では「京の冬の旅」の最初の回に間に合って参加。朝一なので空いていたが、こちらも昼の回はすでに予約でいっぱいとのこと。学生ガイドの見事な案内で、特別公開されていた表千家の名席「残月亭」写しの十二畳敷の茶室「祥雲閣」と、五畳半台目の茶室「甘雨亭」を見学できた。

天龍寺

この付近一帯は「嵯峨」或いは「嵯峨野」という。もともとは葛野川(現在の桂川)の溢水による沼沢地で、未墾の地が大半を占めていたが、渡来人である秦一族が川を改修して肥沃な土地に生まれ変わった。近くにある「太秦」という地名も秦氏に因むものだ。

「嵯峨」は、平安時代には貴族たちが遊んだ場所だった。「枕草子」163段「野は」で、「野は 嵯峨野さらなり。」と第一にあげられており、「平家物語」で小督が身を隠したのが嵯峨野で、白拍子祇王祇女姉妹が庵を結んだのが嵯峨の祇王寺である。

祇王寺

また、嵯峨天皇はこの地を愛していたことから嵯峨の地に葬られ、「嵯峨」という謚がつけられている。嵯峨は朝廷とは深いつながりのある地域だった。

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