日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。
交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。
2025/01/07 10:10
今年の正月は高知で5年振りに開催された高校の同窓会に参加してきた。卒業45周年記念である。
同窓会翌日、高知駅バスターミナルから仁淀川を遡る長距離バス「土居・長沢線」に乗ってみた。この路線、愛媛県境に近い、いの町長沢まで行く路線で、終点の長沢まで乗るとバス停数は約150、2時間ほどかかる。さすがにそこまで行くと戻りが大変なので1時間強乗って柳瀬営業所で下車した。
ここは仁淀川が大きく蛇行している場所で、「柳瀬」と書いて「やなのせ」と読む。「水辺の駅 あいの里」という施設もあり、夏場には訪れる人も多いのだろうが、正月なので無人。施設裏側には瀬の河原が広がり、水遊びができそうだ。
柳瀬から下流に向かって歩いてみた。少し行くと、メダカの無人販売所を発見。これは本当に売れるのだろうか。
川が次に大きく蛇行する場所は「楠瀬」という。こちらも「くすのせ」と読む。ここをルーツとする名字が「楠瀬(くすのせ)」で、楠木正成の三男正儀の末裔と伝える。「楠瀬」は地元ではごく普通にあるが、高知県以外ではあまり見られない。他県では「くすせ」と呼ばれてしまう。
楠瀬の近くには名越屋(なごや)沈下橋があった。名越屋は楠瀬の対岸の日高村の地名である。沈下橋とは欄干などがなく、増水した際には沈下して橋が流されないようにしたもの。地元の人達は車や自転車で普通に渡っているが、欄干が一切ないため初めて渡ると結構怖い(らしい)。橋の幅も狭く、車が来ると歩行者は川から張り出した退避所に避難して車をやりすごす。
筆者がこどもの頃には高知市内にも沈下橋があったが、現在ではかなり少なくなっているようだ。また、沈下橋なので水面が近い。
そして、日本を代表する清流の一つ仁淀川だけに水はきれいだ。有名な「仁淀ブル―」が見られるのはもっと上流だが、このあたりでも橋の上から川底までわかり、川の中を泳ぐ大きな魚(鯉か?)もはっきりと見えた。