人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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御嶽山のレンゲショウマとおいぬ様

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2023/08/29 10:02

御嶽神社拝殿

御嶽山で「レンゲショウマまつり」をやっているというので行ってみた。「御嶽」と言っても「おんたけ」ではなく、青梅の「みたけ」である。

JR青梅線の「ホリデー快速」はかなり混雑しており、御嶽駅で降りてバス停に行くと長蛇の列で乗り切れない。するとすぐに臨時便がやってきた。このバスでケーブル下まで行き、少し歩いたところからケーブルカーにのる。こちらも定時便では乗り切れず、臨時便が運行されている。やはり多くの人の目当てはレンゲショウマらしく、カメラを持った人が多い。

レンゲショウマと蜂

頂上駅で降りると、レンゲショウマ園はすぐ近くだ。鹿の侵入を防ぐ柵の中に入ると、結構急な斜面にレンゲショウマが咲いている。とはいうものの、思ったよりかなり少ない。

群生地が広いことに加え、涼しい気候を好むレンゲショウマにとって今年は暑すぎたのだろうか。あと、レンゲショウマは湿ったやや薄暗い土地を好むのに対し、御嶽山は近年日差しが差し込む山肌に変わってきたというのもあるらしい。

一回りした後は御嶽神社を目指した。頂上駅からは歩いて25分ほど。最後が長い階段である他は比較的平坦な道で、舗装もされており歩きやすい。途中には日本武尊の頃からあるという神代欅がある。

神代ケヤキ

本殿下に宝物殿があり、その前には「鎌倉殿の13人」で人気の高かった畠山重忠の銅像があった。鎌倉時代、この付近一帯は畠山重忠の所領で、宝物殿にある重忠が奉納した赤糸威(おどし)の大鎧は国宝に指定されている。

さて、御嶽神社にはもう1つ大きな特徴がある。それは犬を連れて参拝できることである。実はケーブルカーも犬の乗車がOKで、犬用の切符もある。そして手水舎にはペット用の手水鉢もあり、本殿の直前まで入ることができる。

これは、奥多摩や秩父他方にはニホンオオカミを崇める「おいぬ様信仰」があるからだ。古代、東征した日本武尊が霧で道に迷った際、狼が現れて日本武尊を導いたことに由来しており、秩父の三峯神社でもおいぬ様を祀っている。

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