人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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田舎館村の「田舎」って何?

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2023/07/25 10:16

金木の斜陽館に行った後、田舎館村の田んぼアートに寄ってみた。今では各地にある田んぼアートは、田舎館村が平成5年に村おこしとして作ったのが始まりである。

7月上旬ではまだ稲があまり育っておらず厳しいかなと思ったのだが、稲と稲の間に黒い土の部分が残っているものの、それでもすでにちゃんとした絵になっていた。8月になると稲が成長して土の部分を隠し、よりくっきりとした絵になるはずだ。

まだ育っていない稲

また、あまり知られていないが、第二会場の田んぼアートの隣には石アートがある。こちらも少しずつ色の違う石を並べたもので、石に着色しているわけではない。それでも、高い所から見ると見事に写真を再現している。ちなみに、石で再現されているのは青森県のうんだ巨匠、棟方志功である。

ところで、田舎館村というのもなんだかすごい地名である。現在は南津軽郡田舎館村だが、江戸時代の初めころまでは田舎郡田舎楯村だった。

この「田舎」という地名の由来には諸説あるが、ここが弥生時代の稲作の北限地だったことから「稲家」「稲架」など稲作に因む地名だったのではないかという説が有力。今でいう「田舎」に由来するものではない。

江戸時代初期に津軽郡の一部となり、明治の町村制で南津軽郡田舎館村となっている。

 

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