人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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丹後一宮、籠神社

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2023/01/31 10:57

丹後に来れば絶対に外せない場所がある。それが丹後一宮の籠神社である。「籠」と書いて「この」と読む。

なぜ外せないかというと、ここには国宝「海部氏系図」が伝えられているからだ。海部氏は籠神社の社家で、「海部氏系図」の成立は平安時代初期の9世紀終わりころとみられ、同じく国宝である「円珍俗姓系図」に次いで古いとされる。実際に系図を見ることはできないが、せめてどういう神社かは見ておきたかった。

籠神社があるのは天橋立の砂洲のたもと。京都丹後鉄道宮津線の天橋立駅でおり、レンタサイクルを借りて砂洲の上を渡る。2.6キロの松並木の両側が砂浜で、その向こうはいずれも海という不思議な場所だ。海面は湖のように穏やかである。

この砂洲を渡り切ったところに、籠神社が鎮座している。籠神社は別名元伊勢神社ともいう。というのも、伊勢神宮にはかつて丹後国(当時は丹波国)にあったという伝承があり、籠神社の社伝でもここに4年間鎮座した後に伊勢に転じたとされているからだ。

籠神社の絵馬

籠神社の脇からはケーブルカーが出ており、山上の傘松公園に登ることができる。この公園が有名な天橋立の股のぞきのスポットである。

天橋立を訪れる際には、麓の籠神社にも立ち寄ってみてはどうだろうか。

 

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