日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。
交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。
2022/12/20 10:16
ソフトバンクの千賀滉大投手が大リーグ・メッツと契約した。その年俸はなんと5年間で7500万ドル。日本円に換算すると102億となる。1年あたり20億を超えており、円安とはいえものすごい金額である。
そもそも千賀選手は一般のドラフトで入団した選手ではない。愛知県の全く無名の公立高校である蒲郡高校の出身で、2軍の試合にしか出場できない育成選手を指名する育成ドラフトの、しかも4位でプロ入りした。入団に際しての契約金はなし、1年目の年俸はわずかに270万円である。
2年目には支配下選手に昇格して1軍の公式戦にも登板。3年目には中継ぎ投手として活躍、6年目にはエースとなった。そして、13年目の来年にはメジャーに移籍して、実に年俸は当初の740倍というまさにアメリカンドームだ。
ところで、「千賀」という名字は珍しいと感じる人が多いだろう。名字ランキングでは3000位以内と比較的メジャーな名字なのだが、愛知県三河地方と京都府の丹後地方に集中しているため、他の地域には極めて少ない。とくに集中しているのが三河地方では蒲郡市、丹後地方では与謝野町で、千賀投手の出身は蒲郡市だ。
名字のルーツは志摩国答志郡千賀(現在の三重県鳥羽市千賀町)で、九鬼氏の一族。初め九鬼氏とともに北畠氏に従い、のち尾張国知多郡師崎(現在の愛知県知多郡南知多町)に移って重親の時徳川家康に仕えた。江戸時代は尾張藩士となり、幕末に尾張藩の大目付をつとめた千賀信立が著名。
なお、東京では「ちが」とも読むが、全国を合計するとと約95%が「せんが」で、「ちが」は5%ほどしかいない。