日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。
交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。
2022/04/11 09:57
大河ドラマ「鎌倉殿の13人」では次々と新しい人物が登場する。13人の一人、足立遠元も突然の登場で、北条政子から「誰?」といわれていた。しかし「吾妻鏡」によると、源頼朝が武蔵国に入った際に、遠元は葛西清重らとともにいち早く頼朝の家臣となっている。
さて、足立遠元は武蔵国足立郡の武士で、「足立」という名字はその郡名に由来している。「足立」というと現在の東京都足立区を想像するが、当時の足立郡は足立区だけではなく埼玉県東部一帯までを含むかなり広い地域だった。
そして、遠元の屋敷も埼玉県内にあった。ただし、屋敷跡はさいたま市西区植田谷本内、桶川市川田谷の三ツ木城跡、桶川市神明1丁目の諏訪雷電神社付近、桶川市末広2丁目の総合福祉センター付近の4か所が伝わっており、桶川市では「新編武蔵風土記稿」に記載のある総合福祉センター付近を最有力としている。
ここはJR高崎線桶川駅で降り、中仙道の旧桶川宿を通り越して少し歩いたあたり。総合福祉センターの駐車場の奥に「伝足立右馬允遠元館跡碑」という碑が建てられ、その脇には「鎌倉殿の13人」の幟が翻っていたが、少々わかりづらい。
足立氏は、武蔵国造をつとめた古代豪族の末裔で、平将門の家来武蔵武芝の子孫といわれるが、鎌倉時代には藤原北家魚名流と称しており詳細はわからない。