人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

●サイト(オフィス・モリオカ)
  → https://office-morioka.com/
●ツイッター
  → http://twitter.com/h_morioka
●facebookページ
  → https://www.facebook.com/officemorioka/
●Instagram
 → https://www.instagram.com/office_morioka/

 

「日本人のおなまえ」最終回

このエントリーをはてなブックマークに追加

2022/03/14 10:34

(画像はNHK公式サイトよりキャプチャ)

17日(木)の放送でNHK総合「日本人のおなまえ」が最終回を迎える。2017年4月にレギュラー放送が始まってから5年間、その前の2回の特番を含めると実に7年間に及ぶ番組が終了となる。「名字」をテーマにした特番は民放では時々放送されてきたが、「名字」をメインテーマに据えたレギュラー番組はおそらく日本初。しかも、NHKでゴールタイムにという革新的な番組であった。

しかし、いろいろと難しいことも多かったようだ。メジャーな名字だと一般的なルーツの探索で成り立つが、珍しい名字の場合は、ご本人や周囲の人の反対があると放送できないことも多い。また、コロナ禍で地方ロケができなくなったことも大きかった。途中からは名字に限らず、地名や馬の名前などにもカバー範囲を広げたものの、残念ながら5年間の幕を下ろすことになった。

全国放送は一旦終了するが、地方テレビのローカル番組で名字を取り上げることもある他、13日には栃木県佐野市の主催する「佐藤の会」による生配信「佐藤の会 聖地巡礼オンラインツアー」が行われるなど、各地で「地元の名字」に対する注目が高まってきている。

名字のルーツは圧倒的に地方にあり、本来町おこしとは親和性が高い。これからは地方からの発信が増えていければ、と思う。

このエントリーをはてなブックマークに追加

ページのトップへ