人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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桐生の富士山に登頂

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2021/04/19 10:16

「桐生の富士山」全景

群馬県桐生市に「富士山下」という駅があり、間違えてやってくる外国人がいる、という話は何度か聞いたことがあった。そこで、どういうところなのか、実際に訪れてみた。群馬県のJR両毛線桐生駅で降りて北に数分歩くと、高校野球の強豪桐生第一高校の向かいに上毛電鉄西桐生駅がみえてくる。ここから2駅乗ったところが富士山下駅である。

富士山下駅

読み方は「ふじさんした」ではなく「ふじやました」。外国の方は富士山を「ふじやま」ということが多い。富士急の富士山駅は「ふじさん」駅であることから、路線情報アプリで「Fujiyama」駅までの案内を入れると、ここに案内されることがあるらしい。

実際の富士山下駅は、渡良瀬川に面した小さな無人駅だ。駅看板の横には「ここは群馬県桐生市です」と注意書きがある。駅前にはほとんど人がおらず、間違えてここに来てしまった外国人はさぞ困ったに違いない。

近くを流れる渡良瀬川

駅のすぐ向かいに「富士山入口」という案内があったので登ってみた。階段と獣道をのぼること数分、あっさりと富士山に登頂できた。標高163mの富士山である。

「桐生の富士山」山頂
163mの看板

地理院地図で検索すると、千葉県君津市、神奈川県横須賀市、茨城県笠間市など各地に富士山という山がヒットする。手軽な「富士山登頂」を体験できそうだ。

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