日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。
交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。
2021/03/22 11:04
先日、関西テレビのローカル番組「かまいたちの机上の空論城」に出演してきた。ローカル放送でも売れっ子の芸人をキャスティングできるのが関西局の強みで、この番組も新年度からは深夜帯から日中に昇格とのこと。
さて、番組の内容は発表されてからにするとして、日帰りでの時間をぬって大阪の難読地名を訪ねてきた。新幹線を新大阪で降りると、そのまま駅の東口から外に出る。タクシーに乗るために直接出たことは何度もあるが、この駅から歩いて外に出るのは始めてだ。
まずは駅から東に進んで、室町幕府6代将軍足利義教の首塚がある寺として有名な崇禅寺を目指す。嘉吉の乱で将軍義教を討った赤松満祐は義教の首をこの寺に放置したため、細川持賢が供養したのが、この首塚だという。
ここから南進して阪急京都線崇禅寺駅を通り過ぎたあたりが、大阪市東淀川区柴島地区である。これで「くにじま」と読む難読地名だ。阪急千里線に柴島駅があるため、鉄道ファンや沿線に住む人は読めるが、そうでないとまず読むことはできない。
この付近はかつては島で、平安時代にはすでに柴島荘としてみられる古い地名だ。地名の由来には諸説あり、「くきじま」「くぬぎじま」から転訛した説がある他、柴島神社では洪水で柴に乗った小祠が漂着したと伝えている。
いずれにしても、「柴」を「くに」と読むのはかなり無理があり、「くにじま」という音に、柴のとれる島という意味で「柴島」と書いたものではないだろうか。