「私の言うことって、どうしてうまく伝わらないのだろう」
「あのとき言ったことで、なぜムッとされたのだろう」
言葉は、自分が思っていた通りに受け取られないもの。「それを適切に言い換えるとすれば?」というテーマで好評を博したコラムがリニューアル!
職場に限らず、日常会話でもよくある「こんなときどう言えばいい?」という疑問の答えを、テレビ朝日を退社後、フリーアナウンサーや話し方講座の講師として活躍する渡辺由佳氏が解説します!
(毎月第2・4水曜日更新予定)
2021/02/02 09:08
不安や疑心暗鬼といった心の状態は、家庭の雰囲気を壊す一因になってします。今回はそれにどう対処すればいいか、我が家の例で見てみましょう。
我が家では26歳の息子がボーカルのレッスンを受けています。感染再拡大による2度目の緊急事態宣言が発令されているので、明らかに飛沫が飛びそうなレッスンを続ける事に対し、親として正直不安があります。とはいえ、政府からも営業が認められているわけですから「行かないで欲しい」とも言えず、私は悶々としていました。
そういう私も、趣味の社交ダンスのレッスンを続けているので、いっそう「行かないで欲しい」と言えません。
息子はどんな気持ちでレッスンに行っているのかわかりませんが、私は「ダンスのレッスンに行ってくるね」と言って出かけることに対して毎回後ろめたさを感じていました。また、それを息子がどう受け止めているのかが不安だったので、(実際どうなのかはともかく)家族それぞれが「自粛警察」となって互いに監視しているようにも感じていました。
こうした不安は放っておくと際限なく膨らみ、雰囲気を悪化させる一方です。解決するには、不安に思う心のうちを明らかにし、発生源を断ち切る以外ありません。
ですので、先日思い切って「ボーカルのレッスンの感染対策はどうなっているの?」と尋ねてみました。「先生と生徒の間にビニールシートが張ってあって、入れ替わりのたびに換気と消毒されている」と話していました。
もちろん、それで完全に安心と言えるわけではありませんが、それでもどのような状況でレッスンが行われているのかがわかって少し安心しました。ちなみに私の方も、ダンスのレッスンについて「常に換気がしてあって、踊る前後は手をアルコール消毒をして、マスクをしたまま踊っている」と伝えました。
ウィズコロナの生活が長く続いて気持ちが疲弊すると、家庭内でも「自粛警察」に見張られているように感じてしまいます。これに限らずとも、交友関係や子供の学校生活など、家庭内で不安を生じさせる要素はいくらでもあります。また、職場など家族以外の人間関係でもこうしたことは起こり得ます。
それを解消するには、不安に思う気持ちをオープンに伝えあうことが一番の解決策だと思います。家族同士でも、それ以外の人間関係でも、不安に思うことをすぐに話し合える関係を築いていたいものです。
緊張は克服しなくてもいい! 元テレビ朝日アナウンサーが、初対面・プレゼン・面接・スピーチなどの緊張する場面で、成功を収めるための考え方・話し方・伝え方のコツを伝授。「言いたいこと」が思いどおりに伝わる話し方ができるようになります。
価格:¥1,400-(税別)
テキスト採用など、大量・一括購入に関するご質問・ご注文は、
弊社営業部(TEL:03-3268-5161)までお問い合わせください。