日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。
交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。
2020/12/07 09:19
4日に行われた日本選手権の1万メートルで、32歳の新谷仁美選手が優勝して東京五輪に内定し、話題になった。新谷選手は、2012年ロンドン五輪1万メートルで9位、翌年の世界陸上では5位となった後に引退、一昨年5年降りに陸上界に復帰していた。この大会では19人を周回遅れにするという驚異的な強さをみせ、2002年に渋井陽子が出した日本記録も18年降りに28秒45更新している。
この選手、「にいや」と読む。珍しいと思った人と、そうは思わなかった人がいるだろう。というのも、全国的にみると約7割が「しんたに」と圧倒的に多いからだ。次いで「あらや」が1割ほどあり、「しんや」と「にいや」が続く。
「しんたに」は全国に広く分布しているが、それ以外は地域性が高い。青森県では99%近くが「あらや」さん。「しんや」は東日本に多く、「にいや」は茨城県・岡山県・高知県の3県に集中している。新谷選手の出身地である岡山県では、「しんたに」と「にいや」がほぼ半数ずつ。ただし、「にいや」は総社市と矢掛町に集中しており、新谷選手も総社市の出身だ。
この他、北陸では「あらたに」、香川県では「にいたに」も多く、奈良県では「にたに」、栃木県では「しんがい」とも読むなど、地域差の大きな名字である。