「私の言うことって、どうしてうまく伝わらないのだろう」
「あのとき言ったことで、なぜムッとされたのだろう」
言葉は、自分が思っていた通りに受け取られないもの。「それを適切に言い換えるとすれば?」というテーマで好評を博したコラムがリニューアル!
職場に限らず、日常会話でもよくある「こんなときどう言えばいい?」という疑問の答えを、テレビ朝日を退社後、フリーアナウンサーや話し方講座の講師として活躍する渡辺由佳氏が解説します!
(毎月第2・4水曜日更新予定)
2020/12/09 17:02
今年1年ですっかりリモートワークが定着した企業も多いかと思います。その結果、今までなかったようなハラスメント問題が取沙汰されるようになりました。それが、リモートハラスメント(あるいはテレワークハラスメント)です。
働く場所が自宅になり仕事とプライベートの線引きが明確ではなくなったことで、プライベートに土足で立ち入るような発言や質問をする人も出てきているようです。そこで、今回は、そんなリモートハラスメントの一言に対抗する返し方を考えてみたいと思います。
例えば「いつもの部屋着で参加してくれない?」などと明らかにセクハラと思われる要求をされたら、「それって、業務命令ですか?」「〇〇さん、それはセクハラですよ!」と度を越していることをはっきり伝えたほうがよいでしょう。
また、これはあからさまにハラスメントとは言えない部分もありますが、カメラをオンにするようにしつこく言ってくる上司には、どう対処したら良いでしょうか?
会議やミーティングでは、意志の疎通をはかるために相手の表情を確認しながらやり取りすることが大事な場合もあります。たとえば、私の息子の会社では「会議は全員が顔出して参加しなければならない」とされており、逆に「朝晩のミーティング程度なら不要」など、「顔出しをする・しない」がケースバイケースで決まっているそうです。
このように全員の了解事項として決まっているならともかく、一日に何度も顔出しかつ1対1で打ち合わせをするよう上司や先輩に強要され、はっきりと断りづらい場合は
「すみません。回線の調子が悪く、オンにしたら落ちちゃうかもしれないので、オフのままでよろしいでしょうか?」
「今日は体調が悪くてげっそりしているので、ご心配をおかけするかもしれません。オフでお願いします」
などと伝えて、顔出しを断ることがあっても良いと思います。
リモートワークの普及で新たな悩みも増えたように感じている人もいるかもしれませんが、相手が目の前にいないゆえに普段口に出しづらいことをハッキリ言うチャンスです。いつもよりほんの少し勇気を持ってリモートハラスメントを撃退しましょう!
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