日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。
交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。
2020/11/24 10:46
Google Mapで旧大山街道をたどっていたら、すごい地名に気が付いた。横浜市都筑区のニトリ港北ニュータウン店脇を通る部分を拡大すると、道の上に「血流れ坂」という表示が出てくる。かなり拡大しないと表示されないため、なかなか気が付かない。
地名辞典などをみても出て来ない地名で、何か痕跡がないか現地に行ってみた。
横浜市営地下鉄中川駅を出て北西に向かうと、「中川」信号の西側に斜めに横断する細い道がある。これが旧大山街道で、ここを右折すると急な坂道となる。この部分にGoogle Mapでは「血流れ坂」と書いてあるのだ。結構な標高差があり、かつては竹藪の中の道だったと思われるが、今ではすっかり開発されている。
地名も「都筑区あゆみが丘」という、いかにもニュータウン的なもので、当時の面影を偲ぶものはない。周辺を歩いてみたが「血流れ坂」に関するものは何も見つからなかった。後で調べてみると、かつて近くに牢屋があり、罪人を処刑した場所が「血流れ坂」だという。
大山街道を大山方面に少し行くと、横浜の名水7選の1つ「霊泉の滝」で知られる老馬鍛治山不動尊がある。この「老馬」(ろうば)という地名も「牢場」から転訛したもの、という説もあるようだ。
いずれにしても、Google Mapはこの現地にも何の表示もないマイナーな地名の情報をどこから入手したのだろうか。