「私の言うことって、どうしてうまく伝わらないのだろう」
「あのとき言ったことで、なぜムッとされたのだろう」
言葉は、自分が思っていた通りに受け取られないもの。「それを適切に言い換えるとすれば?」というテーマで好評を博したコラムがリニューアル!
職場に限らず、日常会話でもよくある「こんなときどう言えばいい?」という疑問の答えを、テレビ朝日を退社後、フリーアナウンサーや話し方講座の講師として活躍する渡辺由佳氏が解説します!
(毎月第2・4水曜日更新予定)
2020/11/25 16:22
どこのオフィスにも、おやじギャグが好きな上司はいるものです。テレビでもデーブスペクターさんや元NHKのキャスターの柳澤秀夫さんがおやじギャグをスタジオで連発して、ときに盛り上げたり、ときに失笑を買ったりしています。
ただこのおやじギャグも、本人が言っただけで満足するのなら良いのですが、たいていの場合、周りに何らかの反応をしてもらわないと収拾がつかくなってしまいます。そんなとき、うっとおしいと感じたり、どんなリアクションをすればいいのか、困っている人も多いかもしれません。今回は、そんなおやじギャグ好きの上司から一目置かれるリアクションの仕方を紹介します。
たとえば、職場のギャグ好きの上司が指に包帯を巻いて出勤してきたとき。「どうしたんですか? その指?」と尋ねたら「箪笥(たんす)で指を挟んたんす」と答えたとします。そんなときは「それは、大事にいたらず、よかったんす」と返してみましょう。
自分のおやじギャグを受けてくれたことを大いに喜ぶはずです。おやじギャグを飛ばして一番寂しいことは、みんなに無視されることです。
おやじギャグを言う上司の心理は、小学生のころ、一日中、ずっこけたり、おもしろいことを言ってクラスの注目を集めていた男の子に似ています。みんなの注目を集めたり、だれかに突っ込んでもらわなければ、居場所を失ってしまうのです。ですので、気持ちに余裕があるときは、おやじギャグにはおやじギャグで返してみましょう。
続いて上司がチョコレートを差し入れしてくれたとき。「チョコをチョコっといかが?」と勧められたら「まだまだ甘いですね。次は、ビターなのお願いします」と、突っ込みをいれてみましょう。さらにグレードアップしたギャグをリクエストされたと思って、ますます張り切っておやじギャグに磨きをかけてくることでしょう。
電話のおやじギャグの定番と言えば「電話に誰も出んわ(でんわ)」。同じ部署のみんなが忙しそうにしているところに、電話の着信音が鳴り響いていても、電話にも出ず、呑気にこのようなギャグをかましている上司がいたら「そんなこと言ってないで、早く電話に出てください!」とさっさと電話を取るように促しましょう。
必ずしも、おやじギャグにいつも付き合ってあげる必要はありません。ときと場合によっては、びしっと却下することも必要でしょう。
鬱陶しいと感じるかもしれないおやじギャグですが、それがなくなってしまうとそれはそれで、さびしいものです。職場に潤いを与えているかもしれないおやじギャグとは、ケースバイケースで付き合ってみてはいかがでしょうか。
緊張は克服しなくてもいい! 元テレビ朝日アナウンサーが、初対面・プレゼン・面接・スピーチなどの緊張する場面で、成功を収めるための考え方・話し方・伝え方のコツを伝授。「言いたいこと」が思いどおりに伝わる話し方ができるようになります。
価格:¥1,400-(税別)
テキスト採用など、大量・一括購入に関するご質問・ご注文は、
弊社営業部(TEL:03-3268-5161)までお問い合わせください。