日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。
交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。
2020/09/23 14:00
めっきり涼しくなった4連休。各地の行楽地はかなりの人出でにぎわったようだが、あまり遠出をするのも気が引けるので、県内の真鶴半島に行ってきた。
東海道線真鶴駅から15分ほど歩くと港につく。この港の向かいに「しとどのいわや」という史跡がある。漢字で書くと「鵐窟」。「鳥」がつくことから「鵐」も鳥の名前だろうとは類推がついても、とても読むことができない。
「鵐」とはホオジロの仲間をひっくるめた総称の古語らしい。頼朝を探していた追手がこの窟に近づいたとき「しとど」が飛び立ったたために、人が隠れていないと判断して去ったことに因んでいる。
この「しとどの窟」、石橋山合戦で敗れた源頼朝が隠れていたところなのだが、実は湯河原町と真鶴町に2つあり、どちらが本当に頼朝が隠れていたところかははっきりしない。現在では、途中から移ったのではないかとされているようだ。
ただし、真鶴町の「しとどの窟」では隠れていた時に頼朝が住民に「青木」「五味」「御守(おんもり)」の3名字を与えた、という伝承が残っており、より信憑性が高そうにみえる。
因みに「青木」は窟の入り口を「アオキ」で隠した者、「五味」は食料の手配をした者、「御守」は窟で見張をした者だといわれている。