「私の言うことって、どうしてうまく伝わらないのだろう」
「あのとき言ったことで、なぜムッとされたのだろう」
言葉は、自分が思っていた通りに受け取られないもの。「それを適切に言い換えるとすれば?」というテーマで好評を博したコラムがリニューアル!
職場に限らず、日常会話でもよくある「こんなときどう言えばいい?」という疑問の答えを、テレビ朝日を退社後、フリーアナウンサーや話し方講座の講師として活躍する渡辺由佳氏が解説します!
(毎月第2・4水曜日更新予定)
2020/09/23 13:44
今の時代は生き方だけではなく趣味も多様化しています。部屋の中で手軽にできる水耕栽培を始めて、シソやバジルが食べきれないぐらい育って困っている人もいれば、ソロキャンプにはまり週末は山奥でアウトドア料理を楽しむなど、誰もが思い思いの好きなことをし、それを周囲に語って楽しめるようになりました。
そこで、人に新しい趣味の話をして盛り上がれるのなら良いのですが、ときには「えー、なんで?」とか「趣味悪い」など心無い言葉で傷つくこともあるでしょう。そこで今回は、自分の趣味に対して心無いコメントを言われたときの返し方について、考えてみます。
私の知人のお嬢さん(31歳)はフクロウを飼っています。フクロウは、エサがネズミなどの生食なので、家の冷蔵庫の中にフクロウ用の凍結したネズミがいくつも入っているそうです。
私がその話を初めて聞いたとき「フクロウ!? しかも冷蔵庫の中にネズミ!?」と、正直気持ちが引けてしまい「すごいですね……」としか言いようがありませんでした。ただ、私の反応はまだマシな方で、周囲の人にフクロウを飼っている話をすると「フクロウ連れてネズミで冷蔵庫が埋まっちゃうんじゃ、お嫁にもそうそういけないんじゃないの?」とあけすけに言う人もいて、憮然としたことも多々あったとのこと。
自分の大切なペットを否定されたうえ、本来その人には関係ないはずの結婚話にまで結び付けられては深く傷つきますし、売り言葉に買い言葉で、口論に発展することもありえます。
そんなとき、口論を避けるためにはなんと言い返せば良いでしょうか。
まず、前提として認識しておくべきなのは「そもそも自分が好きなものを相手も好むとは限らず、最初から受け入れてもらえないこともあり得る」ということです。そのうえで、自分の好きなものへの愛は貫きましょう。
前述のお嬢さんなら「フクロウは今人気なんですよ! 全国にフクロウカフェがあるぐらいですから!」と、フクロウ好きなのが、自分だけではなく、全国にフクロウ好きの人がいることを伝えるのも良いかと思います。場合によっては「フクロウのあのお爺さんみたいな顔を見てるとね、もう心底癒されちゃうの。こんど見に来ない?」と、相手の反応などおかまいなしに自分のフクロウ愛を伝えるのも手でしょう。
自分が好きなものについて語るのも自由であれば、それを受け入れないのも自由です。ならば、否定的にとらえられても基本的には気にせず、自分の愛を臆せず語ることで、切り返してしまってはいかがでしょうか。
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