日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。
交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。
2020/09/07 13:13
先日放送されたNHK「日本人のおなまえっ!」は、佐藤と鈴木の対決というテーマで放送した。そもそも対決するような話ではないのだが、佐藤一族のルーツの1つとされる栃木県佐野市の町おこしイベントの取材から、面白い番組に仕上がっていた。
ところで、驚いたのは日本一多い名字は「佐藤」ではなく「鈴木」と思っている人が意外と多いことだ。それぞれの名字の人口がどれくらいあるかは正確にはわからないが、私は最多の佐藤が約200万人、2位の鈴木が175万人程と推定しており、かなりの差が開いて「佐藤」が最多と考えている。この順位については、現在ではどのランキングでもほぼ同じ。
ところが、年配の方を中心に「最多は鈴木」という人も多い。これは、1970年代に日本で初めて発表された名字ランキングが、1位鈴木、2位佐藤だったからだ。このランキングは当時大きな話題となり、日本で一番多い名字は「鈴木」というのがある意味常識となってしまった。
現在「佐藤」が最多なのは、佐藤さんの人口が増えて逆転したわけではない。当時はコンピュータもなく手作業で集計したため、関東地方を中心とした様々な名簿をソースとしていた。そのため、関東に多い「鈴木」が最多と誤認されていたのだ。
今でも関東では「鈴木」が最多だが、東北に圧倒的な数の佐藤さんがおり、「佐藤」が最多であることは間違いない。