日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。
交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。
2020/08/24 11:47
東急東横線の祐天寺駅から東南方向に10分ほど歩いたところに「油面(あぶらめん)」というユニークな地名がある。現在では目黒区中町などの一部となって公式の地名としては消滅しているが、周辺を歩くとその名残をいくつかみつけることができた。
こうした過去の小さな地名は、バス停に残っていることが多い。というのも、バス停の間隔は狭く現行の大きな地名だけでは区別ができないからだ。また、生活路線では利用するのは地元住民のため、地元で使われている小さな地名や、昔の地名がそのまま残されていることが多い。
ということで見つけたのが、東急バスの「油面公園」バス停。字が消えかかっているが、なんとか読むことができる。
バス停近くの油面公園には「油面」という地名の由来が書かれていた。それによると、この付近はかつて菜の花畑で、そこから採れる菜種油を増上寺や祐天寺に燈明用として納めることで、租税を免じてもらったことに因むという。おそらく、もとは「油免」だったのだろう。
油面は重要な地名だったらしく、小学校や交番の名称にも使われていた他、「油面通り」という通りの名称にもなっていた。