人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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幻の湖「赤池」が出現

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2020/07/29 13:55

画像は公益社団法人やまなし観光推進機構よりキャプチャ

各地で連日の降雨が続く中、こうした大雨の時にしか出現しない幻の湖が9年ぶりに現れた、というニュースが流れた。

幻の湖が出現したのは、富士五湖の一つ精進湖東側の国道139号の瀬々波橋付近。この湖は「赤池」と呼ばれ、今月15日頃に姿を現し、現在は直径20m程の大きさがあるという。

普段は森の中の窪地で草が生えているが、雨が続くとここに水がたまって池が誕生する。ただし単に低い土地に水がたまるのではない。地下で精進湖とつながっているらしく、精進湖の水位の上昇に連動して赤池が生じるようだ。実際、7月の精進湖の水位は、長雨の影響で平均水位を2m以上上回っているという。

実は、精進湖の近くの信号には「赤池」という地名表示が出ている。というのも、古くは赤池は日常的に存在していたといい、精進湖の水を水力発電用に放水するようになってから消滅したのではないかともいわれている。


また、「赤池」という名字も富士山の周辺に集中しており、この赤池に因む可能性が高い。なお「赤池」というが、現在は草地となっているため、池は緑色に見える。

今回の出現は2011年以来9年降りで、今世紀に入ってからは3回目。まもなく消滅する見込という。

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