日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。
交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。
2020/01/27 09:48
23日放送のNHK「日本人のおなまえっ!」の「麒麟がくる」を特集した回で、番組の構成を踏まえてゲストの松村邦洋さんが話した、政権の「源平交代説」が、一部で新説のように受け取られていたので驚いた。源平交代説は古くからある俗説だが、この番組を見るような歴史好きの間でも意外と知られていないようだ。
平安時代末期、長く続いた藤原氏の独占による政治に風穴をあけたのが、平清盛率いる平家(=伊勢平氏)である。この平家を倒して鎌倉幕府を打ち立てたのが源氏の源頼朝だ。
しかし源氏政権はわずか3代で滅び、以後は平氏出身の執権北条氏が政権を握った。そして、室町幕府を開いたのが清和源氏の足利氏と、ここまで平氏-源氏-平氏-源氏と、平氏と源氏が交代で政権を担ってきた。従って、戦国時代を制するのは平氏のはずだ、という考えがあったというのが源平交代説で、中国の易姓革命が下地にあるとみられる。
つまり、織田信長は桓武平氏を自称しているのも源平交代説にのっとった行為だというもので、さらに徳川家康が源氏を称したのも、平氏の信長に代わって天下をとるためだという人もいる。
こうした説がいつからあるのかははっきりしないが、江戸時代にはすでに一部で流布していたらしい。