「私の言うことって、どうしてうまく伝わらないのだろう」
「あのとき言ったことで、なぜムッとされたのだろう」
言葉は、自分が思っていた通りに受け取られないもの。「それを適切に言い換えるとすれば?」というテーマで好評を博したコラムがリニューアル!
職場に限らず、日常会話でもよくある「こんなときどう言えばいい?」という疑問の答えを、テレビ朝日を退社後、フリーアナウンサーや話し方講座の講師として活躍する渡辺由佳氏が解説します!
(毎月第2・4水曜日更新予定)
2019/12/11 11:59
今年も残りあとわずか。新年を前に、大掃除や帰省の準備などで慌ただしい毎日かと思います。
年末年始ぐらいは帰省して元気な顔を親に見せたいと思うものの、年頃の未婚者にとって一番煩わしいのが「いつ結婚するの?」「お付き合いしてる人はできた?」などの質問。また、既婚者にとっても「早く孫の顔が見たいんだけど」という親の身勝手な要求に辟易することもあるでしょう。
ですので、「年末年始は仕事(あるいはバイト)のシフトが入ってる」と適当に理由をつけて帰省しなくなった人や、帰省してもこれらの質問に対し「いきなりそれ?」「だから帰りたくなかったのよ!」と反論し、険悪な雰囲気で年越しを迎える人も珍しくありません。
そこで、今回はそうした質問をうまくかわすコメントをご紹介したいと思います。
まず、最もオーソドックスなのが「今、前向きに検討しているところだから」という回避法。このように言われると相手もなんだか希望が持てるので、少なくとも険悪にはなりません。また、結婚でも孫でも内容にかかわらず使えます。
ここでは「前向きに検討している」という、ちょっと事務的な言い方をするのがポイント。感情が伝わりにくいので、それ以上聞き手がツッコミを入れにくくなる言い方です。それでも「え!? だれかいい人がいるの?」と食い下がってこられたら、「企業秘密だから」と煙に巻いてしまいましょう。
あとは「お父さん、お母さんにこれ以上心配をかけないようにがんばってるから」というのもおススメ。これも結婚にも孫にも使えますし、親をホロッとさせるので、なんとなくそれ以上追求しにくくなるひと言です。
ここでのキーワードは「心配をかけないように」。そんなに自分たちのことを思ってくれているんだと思うと、親は何も言えなくなります。
あとは「お父さん(お母さん)は結婚して良かった?」と逆質問するパターン。ついつい、自分の結婚生活について考え込んでしまい、それ以上追及する気がなくなるひと言です。
ただし、これはお父さん、お母さん、どちらかと二人っきりのときに使いましょう。くれぐれも両親がいる前で使わないでくださいね。場合によっては、両親の間での空気が悪くなるリスクがあります。
もし「良かったに決まっているじゃない!!」と言われたら、「私もお父さん(お母さん)たちみたいになりたいな!」と持ち上げ、「結婚していつまでも仲良くできるコツは何?」と質問攻めにして、自分から矛先を変えてしまいましょう。
最後の手段は「来年は、六星占術で大殺界(だいさっかい)に入る年だから避けようと思っている」というもの。占いに走ってなんとなく触れちゃいけなさそうな雰囲気を出すことで、「よくわからないけど星周りが悪いなら、仕方がないか」と、納得してくれるかもしれません。
平和で楽しい帰省になりますよう、お祈りしています。