日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。
交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。
2019/11/25 11:39
先日のNHK総合「日本人のおなまえっ!」は、都道府県シリーズの第4弾京都特集。番組中で、京都人なら誰でも知っているとう「♪まるたけえびす……」という京都の通りの名を読み込んだ歌が紹介され、私がそのうち半分くらいは公家の名字になっていると話した。
平安時代中期以降、公家の大多数は藤原姓の一族で占められ、これに平氏、源氏、菅原氏を合わせた4氏でほぼ独占されていた。そこで、公家の家を家単位で区別するために名乗り始めたのが「家号」である。やがて、この家号が固定化されて名字に変化したのが、公家の世界における名字の始まりである。
同じ頃、東国の武士達の間でも名字を使用するようになり、「名字」という制度が広く定着していくことになる。家号の多くは、自らの邸宅のある町名を使っている。つまり、三条に住んだ公家は「三条」を、姉小路に住んだ公家は「姉小路」を家号とした。
そのため、「まるたけえびす」に登場する25本の通りのうち、竹屋、二条、押小路、姉小路、三条、六角、四条、綾小路、高辻、五条、六条、七条、八条、九条と、半分強の14本が公家の名字となっている。