「私の言うことって、どうしてうまく伝わらないのだろう」
「あのとき言ったことで、なぜムッとされたのだろう」
言葉は、自分が思っていた通りに受け取られないもの。「それを適切に言い換えるとすれば?」というテーマで好評を博したコラムがリニューアル!
職場に限らず、日常会話でもよくある「こんなときどう言えばいい?」という疑問の答えを、テレビ朝日を退社後、フリーアナウンサーや話し方講座の講師として活躍する渡辺由佳氏が解説します!
(毎月第2・4水曜日更新予定)
2019/11/27 16:24
街の中はキラキラとしたイルミネーションに彩られ、嫌でもクリスマスを意識せざるを得ない季節となりました。学生時代、サークルの男子学生たちは「クリスマスまでに彼女を作る!!」を目標に掲げていましたが、目標を達せられぬままクリスマスが日一日と近づいてきて、「今年もダメだった……」とぼやいていたのを思い出します。
12月に入ると、職場の上司や先輩から「今年のクリスマスはどうするの?」などど、聞かれてブルーになるという話をよく耳にします。とはいえ、からかい半分の質問に対し
「余計なお世話です!」
「何でそんなことを課長に言わなきゃならないんですか!」
「それって、セクハラしゃないですか?」
などと言葉を荒らげてもちょっと大人気(おとなげ)ないし、かといって、本当は予定なんてないのにあるフリをするのも嫌なものです。
そこでカウンターとしてお勧めなのが「もちろん仕事ですよ! 残業になったら、差し入れお願いしますね」のひと言。
だれでも無難に乗り切れる理由が「仕事」です。そのあと、「本当は、予定がないから仕事って言ってるんじゃないの?」などと言われる前に差し入れまで要求してしまえば、「本当に差し入れをしなくてはいけなくなったら大変!」と、それ以上クリスマスの話題を相手も続けないでしょう。
ちょっと勇気のある人なら「え!? もしかして私のこと、誘ってます?」と言ってしまうのもアリかもしれません。近年、セクハラ・パワハラに対する意識が高まってきたこともあり、それ以上の会話を広げづらくする雰囲気を作れます(ただし、逆に勘違いされては大変なので、年齢が近かったり自分に少し気がありそうな上司には使わないでくださいね)。
最後にお勧めなのが「そういう○○さんはもう、ご予定は決まったんですか?」といった逆質問。これは、既婚者に対しても未婚者に対しても使える一言です。
おそらく、このような無神経な質問をしてくるのは、既婚者の上司の方が多いかもしれません。「家族とクリスマスを家で過ごす」と答えた上司には、「お子さんのプレゼント、もう決まったんですか?」と質問をどんどん畳み掛けて、話を自分から逸らしてしまいましょう。
このように上手に話を逸らしていくことができれば、自分にとって嫌な質問やプライベートを詮索されるような質問にもスマートに対処できます。
まずは、今年のクリスマスにぜひ、使ってみてください!