日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。
交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。
2019/09/10 15:16
6日、プロ野球ソフトバンクホークスの千賀滉大投手が、ヤフオクドームでロッテを2-0で降し、史上80人目のノーヒットノーランを達成した。同球団としては、戦前の1リーグ時代の別所毅彦以来76年振りの記録達成、また育成ドラフト指名選手としては初の快挙である。
千賀投手は高校球界では無名の愛知県立蒲郡高の出身。高校だけではなく、千賀本人も全く無名だった。この「千賀」という名字も、珍しいと感じる人が多いと思うが、実は3000位以内なので普通の名字だ。
しかし、半数近くが愛知県に集中しているため、他県ではあまりみられない。愛知県内でも、千賀投手の地元蒲郡市と田原市に集中している他、豊橋市や知多市に多いなど、尾張南部から三河にかけて広がっており、名古屋市周辺には少ない。
しかも、そのルーツは愛知県にはなく、伊勢湾を挟んだ反対側の志摩国答志郡千賀(三重県鳥羽市千賀町)。戦国時代に水軍大名として知られた九鬼氏の一族だ。当初は九鬼氏とともに北畠氏に従っていたが、尾張国知多郡師崎(愛知県知多郡南知多町)に移り、のちに徳川家康に仕えて、江戸時代直系は尾張藩士となっている。
ちなみに、東京などでは「ちが」と読むこともある。