日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。
交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。
2019/08/19 15:19
8月8日付の河北新報に面白い記事が掲載されていた。スペイン南部のコリア・デル・リオ市に住んでいる「ハポン」という名字を名乗る21人が仙台市を訪れ、1組のカップルが神前結婚式をあげたり、伊達政宗の霊廟「瑞鳳殿」を訪れたりしたという。
スペイン語の「ハポン」は「日本」という意味。実は、スペインの「ハポン」さんは、400年以上前にスペインに渡った日本人の子孫とされる。
江戸時代初めの慶長18年(1613)、仙台藩主伊達政宗は支倉常長を正使とする慶長遣欧使節団をローマに派遣した。太平洋を越えてノビスパニア(メキシコ)に渡ったところで大半の乗組員は引き返したのだが、支倉ら31人は大西洋を横断して、日本を出てから1年がかりでスペインにたどり着き、コリア・デル・リオに上陸した。
支倉一行はここを本拠地として約3年間スペインにとどまり、この間にローマ教皇パウロ5世に謁見した。そして1617年に帰国の途につくが、一行のうちの8人前後が帰国せずコリア・デル・リオにとどまったのである。そして、彼らと現地の人の間に生まれた子どもが名乗ったのが、「ハポン」という名字だといわれている。
ちなみに、ハポンさんは、生まれた時にモンゴロイドの特徴である蒙古斑が出ることがあるという。