アナウンサー・渡辺由佳が解説「こんなときどう言う?」

「私の言うことって、どうしてうまく伝わらないのだろう」
「あのとき言ったことで、なぜムッとされたのだろう」
言葉は、自分が思っていた通りに受け取られないもの。「それを適切に言い換えるとすれば?」というテーマで好評を博したコラムがリニューアル!

職場に限らず、日常会話でもよくある「こんなときどう言えばいい?」という疑問の答えを、テレビ朝日を退社後、フリーアナウンサーや話し方講座の講師として活躍する渡辺由佳氏が解説します!
(毎月第2・4水曜日更新予定)

著者プロフィール

渡辺由佳(わたなべ・ゆか)

1964年、東京都生まれ。慶応義塾大学法学部政治学科卒業。テレビ朝日にアナウンサーとして入社。報道から社会情報番組まで多数の人気番組を担当。1993年に独立。以後、フリーアナウンサー、話し方講師としての活動を始め、テレビ朝日アナウンサースクールやシェリロゼ(自分磨きスクール)で指導を行なうほか、「ビジネスマナー」「コミュニケーション」「ビジネスメール」をテーマに企業向けのセミナー講師も務める。2016年より大妻女子大学文学部非常勤講師を務める。

著書に、『会話力の基本』(日本実業出版社)、『スラスラ話せる敬語入門』『サクサク書けるビジネスメール入門』(以上、かんき出版)、『気の利いた「ひと言」辞典』(講談社)などがある。

ブログ:渡辺由佳の素敵なことば探し
http://ameblo.jp/sutekinakotoba/

相手が上司への愚痴をこぼしたときのひと言

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2019/02/18 16:12

photo by buritora/fotolia

【改善前】

そうそう、最悪だよね。

【改善後】

それは、大変だったね。

安易に同調しない

「新しく来た課長って、細かくて最悪だよね。提出した書類、文章がわかりにくいから書き直せって」と同僚から愚痴を聞かされたとします。自分はそう思っていなかったときに、「そうそう、最悪だよね。前の課長のほうがよかったよ」などと、安易に同調してしまうと、あなたが首謀者にされてしまう可能性があるので要注意です。

相手の気持ちだけを受け止める

たとえ、相手の悪口を聞かされたとしても、「それは、大変だったね」と、そのきっかけとなったできごとだけを受け止めて、相手が言った言葉には同調しないのが賢明です。そこから踏み込んで、同調する必要はないのです。

大変な状況に陥ったことに対して、同情してもらえれば、相手の気持ちも少しは収まるものです。

長所と短所は背中合わせ

「細かい」と評価する人もいれば、「細やか」と評価する人もいます。同じ漢字を使っていても、前者は悪いイメージにも聞こえますし、後者はよいイメージを想像するのではないでしょうか。

人の性格というのは、時にプラスに作用したり、時にマイナスに作用したりします。それを、長所と言ったり、短所と言ったりしますが、どちらも元は同じその人の性格です。そう考えれば、人の評価はなるべくよいイメージの言葉を使いたいものです。

「言葉は人なり」と、アナウンサー時代に学びましたが、よいイメージの言葉を使うことで、自分自身の品格を上げることにもつながると思います。


本連載は、企業の総務・経理・人事向け月刊専門情報誌「企業実務」から一部編集のうえ転載したものです。ご購読・見本誌をご希望、お問い合わせにつきましては下記バナーをクリックしてください(関連会社のサイトに遷移します)。

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