「私の言うことって、どうしてうまく伝わらないのだろう」
「あのとき言ったことで、なぜムッとされたのだろう」
言葉は、自分が思っていた通りに受け取られないもの。「それを適切に言い換えるとすれば?」というテーマで好評を博したコラムがリニューアル!
職場に限らず、日常会話でもよくある「こんなときどう言えばいい?」という疑問の答えを、テレビ朝日を退社後、フリーアナウンサーや話し方講座の講師として活躍する渡辺由佳氏が解説します!
(毎月第2・4水曜日更新予定)
2018/12/21 11:46
会議の席で、議題の結論がなかなか出なかったり、何もよいアイデアが出なかったりしたときは、その場の空気がとても重くなるものです。そのようなときに、その場の空気を一変させるような気の利いたひと言が言えると、その人の株は、間違いなく上がるはずです。
今日はもうだめだから、明日にしよう!
明日になったら、さなぎが蝶になるかもしれないね。
議題が行き詰まってしまったようなときには、比喩を用いたひと言がおすすめです。「今日はだめだから、明日にしよう!」と言うと、今日という日の会議の意味がなくなってしまう印象を与え、明日に向けてのモチベーションが下がる言い方です。
一方、「明日になったら、さなぎが蝶になっているかもしれませんから、続きはまた明日で」と言うと、明日には何か素晴らしいアイディアが生まれそうな予感がします。その他にも、「ちょっと焦げ付き始めたので、少し休憩にしましょうか」「各部に持ち帰って、少し熟成させてきましょうか」など、料理やワインになぞらえると、そのセンスのよい表現に聞き手の心も和らぎ、次の展開にも移りやすくなるでしょう。
話術の1つに、ボケと突っ込みというテクニックがあります。私の話し方講座の生徒さんの話です。東京と栃木を結ぶテレビ会議に出席した際、テレビの向こうのメンバーがなかなか集まらず、イライラした空気が漂い始めました。そのとき、「時差ですかね」とわざとボケたひと言を言って、その場を和ませることができたということです。
行き詰まってしまったときにこそ、センスのよいひと言でその場の空気を和ませたいものです。
本連載は、企業の総務・経理・人事向け月刊専門情報誌「企業実務」から一部編集のうえ転載したものです。ご購読・見本誌をご希望、お問い合わせにつきましては下記バナーをクリックしてください(関連会社のサイトに遷移します)。