本コラムは日本実業出版社が発行、エヌ・ジェイ出版販売株式会社が販売する企業向け直販月刊誌「企業実務」内に掲載されているコラムを転載したものです。
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2018/10/25 12:55
企業の経理・総務担当者が職場で直面する、規定集・法規集などに答えが見当たらない疑問、状況がレアケースすぎてそのまま規定を当てはめていいのかどうか迷う悩みに、プロの実務家・専門家が答えます!
※本コラムの内容について※
本コラムは、月刊「企業実務」内で連載されている同名の連載を再編集したものであり、関連法規・規定等については公開時点のものに準拠しています。
従業員20名の販売店の管理部長です。これまで3年間週3日勤務だったアルバイトを正社員として雇用することになり、そこで有給休暇の取扱いについて質問されました。こうした場合の付与日数等はどうなるでしょうか。
年次有給休暇を取得する権利は労働者が退職する場合には、退職日をもってすべて消滅することになりますが、「アルバイトから正社員への雇用形態の変更」であれば退職にはあたりません。
正社員となっても、アルバイト期間中に付与された年次有給休暇を取得する権利は、2年の消滅時効にかからない限りは引き続き行使することが可能です。正社員になって半年を経過していないからといって、これを拒否することはできません。
ちなみに、アルバイト期間中に取得した年次有給休暇の日数については、所定労働日数が週3日とのことですので、年次有給休暇の比例付与の対象となります。勤務期間が半年、1年半、2年半となった時点の付与日数はそれぞれ5日、6日、6日ですので、2年半の時点で消滅する5日を除いた未取得分の最大12日が、正社員となっても引き継がれる年次有給休暇の日数となります。
また、年次有給休暇の付与日数にかかる勤務期間は、その勤務が途中で途切れていない限り、アルバイトと正社員の期間を通算して考えます。そのため、正社員としての入社から半年を経過した時点で10日の付与では法定どおりとはいえないということになります。
具体的には、アルバイトとしての入社から3年半を経過した時点で14日の年次有給休暇を付与し、以降4年半で16日、5年半で18日、6年半以降は20日……と付与していかねばなりません(企業実務 17年4月号より転載)。
東京人事労務ファクトリー代表。ベンチャー・中小企業を中心に、毎年100社を超える労働保険・社会保険手続きや、労務問題の解決、サポートを手がけている。
従業員100名の製造業の総務部主任です。名刺のストックがないときに会合参加の誘いを受けることがあります。そうしたときにより“失礼にあたらない”対応について教えていただけないでしょうか。
名刺は、ビジネスにとって大切なツールです。そして、単なるカードではなく、その人の顔であり人格を持った紹介カードです。ですから、日頃から切らさないよう、早めに発注しておき、ビジネスの場では常に自分の名刺は肌身離さずに持っておかなければなりません。
とはいえ、やむを得ぬ理由で切らしてしまうこともあるでしょう。そんなとき、パソコンなどで作成した簡易な名刺の使用はお勧めしません。
前述したように、名刺は単なるカードではなく会社の顔でもあります。会社のロゴやイメージカラーのない名刺では、別の会社になってしまいます。見る人によっては付け焼刃でつくったことに悪いイメージを抱きかねません。
後日名刺をお渡しする場合は、まずその場で、相手に「申し訳ございません、名刺を切らしてしまいまして……」と丁寧にお詫びを言い、口頭で、会社名と役職、名前を名乗ります。相手が、こちらの連絡先を早く知りたい場合は、すぐに当日のお礼と、名刺をお渡しできなかったお詫びの一言などを書き添えたメールを送信します。
急がない場合で、相手が自分の会社の近くであれば、後日、訪問して名刺を届けます。その場合、アポイントメントは不要です。本人が留守でも受付に出てきた人に、事情を話して渡します。相手の方が遠隔地の場合は3日以内に郵送します。
送付状の例文を示しますが、あくまでも参考にする程度で、ご自身の状況に合わせて適宜書き換えてください。手書きの場合は正式な便箋ではなく、一筆書きの便箋でも構いません。同封する名刺は剥き出し状態ではなく、名刺が入る小さな封筒か懐紙などで包んだうえで封筒に入れるとよいでしょう(企業実務 17年4月号より転載)。
1982年関西作法会を設立、会長に就任。1998年トータルマナー株式会社設立。一般企業、医療機関・福祉施設、大学・専門学校などでのマナー研修は好評を博している。