日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。
交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。
2018/08/01 15:18
サッカーの日本代表新監督に森保一氏が就任した。森保一新監督は名字が「森保」で、名前が「一」なのだが、「森保一」と続けて書かれると、姓名間の区切りがよくわからない。そのため、高校時代には「森 保一」と間違われることも多く、そこから「ポイチ(保一)」というニックネームがついたという。
「森保」という名字は、全国ランキングで1万位あたりと珍しい。しかも半数近くが長崎県にあり、4割弱が広島・岡山両県にある。つまり全国の9割近くがこの2か所3県に集中しており、他の地域では極めて珍しい。そのため、多くの人にとっては見たことがなく、メジャーな名字である「森」と誤解されたのだろう。
実は岡山県には「森安(もりやす)」という名字が多く、そこから漢字が変化した思われる「守安」も多い。両県の「森保」の分布はこの2つとよく似ており、広島・岡山両県の「森保」は「森安」か「守安」から漢字が変化したものだろう。
一方、長崎県の「森保」は長崎市にのみ集中している。しかも、市南部の長崎半島(野母崎半島)に多く、森保一監督もこの付近の出身。おそらくこのあたりが、長崎県の「森保」のルーツの地と思われる。