アナウンサー・渡辺由佳が解説「こんなときどう言う?」

「私の言うことって、どうしてうまく伝わらないのだろう」
「あのとき言ったことで、なぜムッとされたのだろう」
言葉は、自分が思っていた通りに受け取られないもの。「それを適切に言い換えるとすれば?」というテーマで好評を博したコラムがリニューアル!

職場に限らず、日常会話でもよくある「こんなときどう言えばいい?」という疑問の答えを、テレビ朝日を退社後、フリーアナウンサーや話し方講座の講師として活躍する渡辺由佳氏が解説します!
(毎月第2・4水曜日更新予定)

著者プロフィール

渡辺由佳(わたなべ・ゆか)

1964年、東京都生まれ。慶応義塾大学法学部政治学科卒業。テレビ朝日にアナウンサーとして入社。報道から社会情報番組まで多数の人気番組を担当。1993年に独立。以後、フリーアナウンサー、話し方講師としての活動を始め、テレビ朝日アナウンサースクールやシェリロゼ(自分磨きスクール)で指導を行なうほか、「ビジネスマナー」「コミュニケーション」「ビジネスメール」をテーマに企業向けのセミナー講師も務める。2016年より大妻女子大学文学部非常勤講師を務める。

著書に、『会話力の基本』(日本実業出版社)、『スラスラ話せる敬語入門』『サクサク書けるビジネスメール入門』(以上、かんき出版)、『気の利いた「ひと言」辞典』(講談社)などがある。

ブログ:渡辺由佳の素敵なことば探し
http://ameblo.jp/sutekinakotoba/

相手にほめられたときの感じのよい言葉の返し方

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2018/07/20 11:48

(photo by Gorodenkoff/fotolia)

職場でもプライベートでも、多くの日本人がほめ言葉に対して「とんでもないです」「いやいやたいしたことないです」と相手の言葉を否定するニュアンスで言葉を返してしまいます。それが「日本の謙遜の美学」と言ってしまえばそれまでですが、そのあと、会話が続かなくて、なんとなく気まずい思いをしていませんか。

【改善前】

いえいえ、とんでもない。私なんてまだまだです。

【改善後】

ありがとうございます。○○さんのご指導の賜物です。これからも精進します。

謙遜は相手の思いを押し返す?

「この前、取引先の△△部長が君の仕事ぶりをほめてたよ」と上司から言われたとします。そんなとき、「いえいえ、とんでもない。私なんてまだまだです」と答えてしまうと、せっかくほめてくれた△△部長の思いも、その言葉を伝えてくれた上司の思いも押し返してしまうことになります。

上司としては「せっかくほめてやったのに」とがっかりして、それ以上、会話を続けようという気持ちにならないこともあるでしょう。

感謝とプラスのひと言を

ほめ言葉には、まずは、感謝の気持ちを伝えたいものです。そして、ほめてくれた相手を立てるひと言も加えます。「ありがとうございます! これまでご指導いただいたおかげです!」そうすれば、相手の気持ちをしっかり受け止めることができますし、さらに目の前の上司をほめ返すこともできるのです。きっとそこから会話も発展しやすくなるはずです。

ほめられたときに使える表現

ほめられたあとのひと言には、そのほかに、「光栄です」「痛み入ります」「嬉しいです」など、前向きに受け止めた気持ちを伝える言葉がたくさんあります。「とんでもない」をまずは封印することから始めてみませんか。


本連載は、企業の総務・経理・人事向け月刊専門情報誌「企業実務」から一部編集のうえ転載したものです。ご購読・見本誌をご希望、お問い合わせにつきましては下記バナーをクリックしてください(関連会社のサイトに遷移します)。

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