効率化マニアの外資系コンサルが教える! 無駄な時間をゼロにする「時間の断捨離」最前線<第4回>
現役外資系コンサルとして膨大な仕事を最少の時間でこなしつつ、月間10万PVブログ「NAEの仕事効率化ノート」も運営するNAEさんに、ビジネスの現場で役に立つ時短術のコツを教わります。今回は、次々に降りかかる「突発的な依頼」の無駄を断捨離する方法について。
ちょっと手伝うつもりが、深夜残業に発展!?
仕事中に上司や同僚がやってきて「今1分だけ話してもいい?」と聞かれることは、ありませんか? つい「はい」と答えてしまうと思うのですが、そういった話は往々にして1分では終わりません。
単に話が長くなるという意味ではなく、「1分だけ」は多くの場合、
・新しい仕事を頼みたい
・手のかかる作業をお願いしたい
など、質・量ともに大きめの仕事を依頼される「前兆」ということです。
実際私も若手時代、上司からの「ちょっと1分だけ」を皮切りに、深夜残業に発展したことがありました。
- 『NAEくんさ、ちょっと1分いい?』→「はい」
- 『この提案書のこのページ、見た目の手直しをしてくれない?』→「承知しました(すぐできそうだな……)」
- 「終わりました」→『ありがとう。あと追加でこんな資料もほしいんだよね。せっかくだから、この勢いで作ってもらえない?』→「え、まあ、はい……」
- 「終わりました」→『ありがとう。ただ、もうちょい説得力がほしいね。ついでに関連しそうな事例をまとめておいてもらえる?』→「はい(断りにくい)……」
- 「終わりました」→『別働隊がほかのページを作っているんだけど、デザインがばらばらでさ。全体の体裁の最終チェックも頼める?』→「はあ(もういいや)」
……結局、提案書の中身の作成から最後の仕上げまで、ほぼ全面的に巻き込まれてしまいました。もちろん手持ちの仕事は全部、残業へ後回し。
あとでわかったことなのですが、頼みごとが上手な人は「小さなYes」の積み重ねを意識するそうです。 Yesと答え続けてもらいながら依頼内容を少しずつ大きくしていって、ゆくゆくは大きな仕事も快くYesと言ってもらう、というテクニックなのですが、当時の私はこれに見事に乗せられた形でした。
今振り返ると、依頼の1つひとつをちゃんと精査し、手持ちのタスクを考えたうえで、できること・できないことの仕分けをしたり、受けるにしても受け方を考えたりすべきだったと思います。
というわけで今回は、「1分だけ」から始まる突発的な依頼を断捨離してみたいと思います。
「3+1個のW」で正当にゴネる
ここでのポイントは、「3+1個のW」です。 断捨離したいからといって、むげにNoを言うと角が立ってしまいます。そこで、ロジックを通したうえで正当にゴネる方法をご紹介します。